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【愛媛・道後温泉】湯の灯りと“鯛めし”が教えてくれた、旅の温かさ

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【愛媛・道後温泉】湯の灯りと“鯛めし”が教えてくれた、旅の温かさ

松山の街を走る路面電車に揺られ、
夜の帳が降りた頃、道後温泉駅に到着した。
レトロな駅舎、坊っちゃん列車、そして動き出すからくり時計——。
どこか懐かしくも幻想的なその光景は、まるで映画のワンシーンのよう。

アーケードを抜けると、明かりに照らされた【道後温泉本館】が姿を現す。
湯の香と街のざわめきが溶け合い、まるで“千と千尋の神隠し”の世界に迷い込んだような気分になった。
その足で立ち寄ったのが【郷土料理 七福神 道後本店】。


🍚 鯛めしとじゃこ天、愛媛の夜を彩る味

清潔感ある店内は落ち着いた雰囲気で、浴衣姿の観光客が行き交う。
温泉街ならではのゆったりとした空気が心地よい。

そして印象に残ったのは料理だけではない。
満席の店内で一人きりで接客をこなすアルバイトの青年。
機敏に動きながらも、一人一人に丁寧に声をかける姿勢は、
同じ料理人として心を打たれた。
「人の手が生み出す温かさ」——それもまた旅の味のひとつだと感じた。

愛媛名物【鯛めし】は、宇和島風。
新鮮な鯛の刺身を卵と出汁にくぐらせ、熱々のご飯にのせていただく。
その瞬間、鯛の甘みと出汁の旨みが一体となり、喉を通る心地よさに思わずため息が出た。
自分好みに薬味を添え、味を重ねていく“お客様参加型”のスタイルは、まさに食のエンターテインメント。

【じゃこ天】は魚の旨みが凝縮され、骨ごとの食感が力強い。
淡白なはんぺんとは違い、素材の命を丸ごと味わうような一品。
合わせた【道後クラフトビール】のほろ苦さが、その味をさらに引き立ててくれた。


♨️ 温泉街で感じた、歴史と人のぬくもり

食後は再び【道後温泉本館】へ。
改装を経てなお残る木造建築の趣、
地元の方も観光客も、外国人も同じ湯に浸かる光景は、
日本の文化の温かさを象徴しているようだった。

松山中心部から道後温泉へ向かう伊予鉄道の車窓から見た
夕暮れの街並みも印象的だった。
観光だけでなく、そこに暮らす人々の日常が見える旅——。
その土地で“食べる”という行為が、文化や人の営みと深く結びついていることを改めて感じた。


🐟 鯛めしと道後の文化

愛媛の【鯛めし】には2つの系統がある。
炊き込みご飯の「北宇和島風」と、
生の鯛を卵と出汁でいただく「宇和島風」。
どちらも、鯛の漁獲量が全国でもトップクラスを誇る愛媛ならではの料理だ。

また、【じゃこ天】は宇和海で獲れた小魚を骨ごとすり身にしたもの。
保存食としても、地元の日常食としても長く親しまれてきた。
旅先で味わうその一口に、土地の歴史と暮らしが息づいている。


📍お店情報
郷土料理 七福神 道後本店
愛媛県松山市道後湯之町13−14
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